ミサゴの狩り
先日、牧港川の河口沿いの国道を車で通りかかったとき、上空で特有のソアリング飛行をしている猛禽を見つけた。
「ミサゴだ!!!」。魚を狩るタカの仲間で、春から夏の間は九州以北で繁殖をして、秋には沖縄にやってきて冬を越す渡り鳥である。僕はすぐにUターンしてウチへカメラを取りに帰った。前々から撮りたかった鳥である。
現場に戻るのに10分ほどかかったが、まだミサゴは悠々と空を舞っていた。もう去ってしまったのではと思っていたので、とりあえずほっとした。
車を近くの駐車スペースに停め、道路の反対側の川岸のほうへ渡ろうと思ったが、横断歩道の信号が赤になってしまった。そのとき、ミサゴが空中で止まった。狙いが定まったようだ。「まだダイブしないで~」、狩りの瞬間を撮りたいのでかなり焦っていた。
信号が青にならないうちにミサゴはとうとうダイブをしてしまった。水面が向こう側の歩道よりも低いので狩りが成功しているのかどうか確認できない。「あ~あ、撮り損ねてしまった…」と一瞬遅れたことを悔やんでいた。
5,6秒程かかってやっとミサゴの姿が宙に浮いてきた。しかし、向こう側の歩道の背面で上下に大きく揺れて見え隠れしている。そんな感じでどうにかこうにかミサゴが出てきたとき、その脚はナント40~50cmはあろうかというデカイ魚を掴まえていた。おそらくあれはボラなんじゃないだろうか?
獲物があまりにも重たいせいか飛翔にまったくスピードがない。ミサゴは30mほど上昇したところで向きを変えてこっちへ近づいてきた。僕は横断歩道を渡るのをやめてミサゴにレンズを向けた。なかなかピンとが合わず苦労する。
そのうちミサゴは頭上を通り過ぎ、南の方(那覇方面)へ向かった。いったいアイツはどこで食事をするのだろう?ふと疑問に思った。
ずーっと目で追いかけていたが、しばらくするととっても小さくなってどこかへ消えてしまった。