ABCグモ

網にX字状の白帯をつくるクモ

網にX字状の白帯をつくるナガマルコガネグモ

沖縄ではこのナガマルコガネグモのことをABCグモとか英字グモとか呼んだりします。



なぜそう呼ぶかというと、X模様の白帯をよーくみるとアルファベットが連なっているように見えるからです。

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このジグザグがMNWVXYに見えてきます!

このジグザグがMNWVXYに見えてきます!

MNWVXYMNWVXYMNWVXY…、ねっ、白帯の模様のように見えるでしょっ!

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この白帯はかくれ帯と言って、クモの仲間には網の中央に身が隠れるほどに糸を幅広につけてこのかくれ帯をつくるものがいます。ナガマルコガネグモの場合はX字状ですが、その形はさまざまで種によっては円形状だったり、直線状だったりします。このかくれ帯の上ではクモたちもその形に合わせてXの形になり、円形であれば脚をギュッと縮め、直線状だったら身体をピーンとまっすぐに伸ばしています。



ナガマルコガネグモのかくれ帯(=白帯)にはさらに秘密が隠されています。このコガネグモ属のかくれ帯は紫外線反射率が高く、餌となる昆虫を誘引することが判明しています。すごいなあと驚嘆する一方、だったらこの帯をもっとたくさんつけたら良いのにと思ってしまいませんか? ナゼそうしなかったのか…、まだまだ秘密は隠されているようです。



ナガマルコガネグモの雄は通常同じ雌と2回続けて交尾をします。1回目の交尾のあとに雌に食べられてしまうことがあるのですが、生き延びたとしても2回目の交尾のあとには必ず死んでしまいます。結局その死骸は雌に食べられるのです。この雄の生き方、考えさせられてしまいます。