続沖縄の自然を学ぶ。

“沖縄の自然を学ぶ。”の一環で2012年5月に沖縄国際大学地域セミナーにおいて沖縄島の地史・地質・植物&浦添大公園巡検の講義をしました。以下は講義後にいただいた学生さんたちの感想です。


講義のときに下地幸夫氏がこう言っていた。「沖縄の地質とかに興味をもったら、しょっちゅう下ばかっり見て歩くよ」と。講義後本当に地面を見て歩くようになり、畑などがあると、「お!あの土、島尻マージじゃん。なんでこんな所にあるば?」などと考えてしまうようになり、そして2012年6月3日、とうとう本部町の山に登って地層を観察してしまった。人生19年生きてきて石を見るために山に登ったのは初めてであったが、なぜか楽しめた。もともと化石など好きだったが、土壌や石に興味を持つとは思ってなかった。(C.T.)


沖縄の地形や地質、成り立ちなどを調べ自分たちが住んでいる場所はどのようにしてでき、今はどうなっているかなど、初めて知ることばかりであった。「沖縄の地質なんて全部同じではないのか」なんて思っていたけど、北部と南部と地域ごとで異なり、作りも違うことが分かった。また、生物や植物に関しても地質によってできる植物が異なることや、北部、中部、南部によっても異なるし、それぞれの地域にしかない植物もあると分かり感心した。(N.Y.)


今回沖縄の自然環境について深く学ぶことで、私たちが住んでいるこの沖縄をもっと理解すべきではないかと実感が沸いた。将来、大人になっても私の地元である宜野湾市についてあまり分からない状況だと恥ずかしく感じるので、まずは自分の身の回りの地域から深く理解していこうと下地先生の話を聞いて考えさせられた。(O.S.)


今回沖縄島ができた過程から調べて、いろいろな変化を超えてできたものだと初めて知った。地形や気候や生物などの条件がひとつでも変わってしまっていたら、今とは全く違った自然環境ができていたのではないかと考えると、とてもおもしろいと思った。また日本本土と違った環境をもつ沖縄は、独特の自然が確立している。北部と中南部でもかなりの違いがあり、それに加えて他の小さな島々も独自の自然をもっている。日本全体や世界規模で考えたらとても小さい島である沖縄だが、かなり豊富な自然をもっている。とても貴重なものがこんなにも身近にあるのだと改めて実感し、自然破壊などの問題から守っていかなくてはならないなと思った。下地先生はいろいろな資料を使いながら丁寧に教えてくれてとても感謝している。(A.Y.)


今回浦添大公園巡検をおこなって、私の地元は宜野湾市であるが、近くの浦添にこんなに自然豊かで生き物も多くおどろいた。日頃よく見かけていた植物のことも知っているようで実は全然知らなかったですし、浦添大公園にいたよく見かける毛虫の恐ろしさも知ってとても勉強になりました。宜野湾市のわき水にもテナガエビがいて、今回下地先生にわき水の話が聞けて分かっていたつもりの地元のことが分かるようになり勉強になりました。(Y.M.)


今回、下地先生を講師に招き学んだことは、大変興味深いことばかりで楽しく、また、自分の住む土地の自然を全くといっていいほど理解できていなかったことに、恥ずかしさを覚えた。沖縄島が全部珊瑚礁の隆起でできあがったものと思い込んでおり、北部と南部の植生の違い、それに伴う生き物の分布の違いなどなど、考えてもみなかったことだった。下地先生の言った、「沖縄県民よりも、観光で沖縄を訪れる観光客の方が沖縄の自然についてよく学んでいる」という言葉が、巡検を終えて、自ら沖縄の成り立ちから、地質、植生、生き物などについて調べることで理解できた。巡検を通し、沖縄独特の自然と向き合うことで、やはり私は沖縄の自然が好きなのだと再確認することができた。将来、下地先生のような仕事に就きたいという考えも生まれた。それと同時に、自然学習の基盤自体がまだまだ甘いと考える。沖縄の魅力である自然について現地の人間が何も知らないのは問題ではないだろうか。その対策のため、義務教育課程で毎年行われる平和学習のように、沖縄の自然について基礎から学ぶ基盤を義務教育の過程できっちりと取り組むべきだと考える。(S.K.)


今回の講義や巡検を通して、やっぱり沖縄はおもしろいと思うことばかりであった。地層を見た際、琉球石灰岩は琉球列島特有のもので、雨によって削られ溶ける。いずれ無くなってしまう。という話を聞いて、歴史の流れを感じた。今ある沖縄の形が変わっていくという当たり前な話も、改めて考えてみるとすごいことだと感じた。地層ができるまで隆起や沈降を繰り返していた自然の力の偉大さを感じることができた。せっかくこのような独特な自然を身近に感じることのできる沖縄に住んでいるのだから、もっと沖縄について学んでいきたい、学ぶべきだと感じた。今、沖縄の自然に関する授業を多くとっているが、もっといろんな方向から沖縄の自然について見てみたいと思った。そして授業だけではなく今回の巡検のように実際に自ら歩いて、植物や生き物、自然を観察していくことの重要性を感じた。下地先生の話で、植栽は自然でないと聞き、植物の見方が変わったのは確かである。普段自然だと思っていたものが自然でないというのは衝撃的であったが、何が自然で何が自然でないか観察しながら歩くのはおもしろいということがわかった。(G.Y.)


今回初めて浦添大公園に行った。馴染みのある植物もあった。一番の驚きは沖縄にもイチョウがあったことである。植えてから40年も経っているのに全然大きくないし、幹もとても細くてなんだかかわいそうだと思った。やはり環境や土地、気候によって育ちやすい植物を植えてあげることが大事だと思った。あと、クチャもとても身近で利用している。それはパックである。ミネラルが豊富でとても人気のある製品である。そのクチャが沖縄にしかなくそれを自分の身近で見ることができて良かったと思う。下地先生の話を聞くことができなかったら、ただの泥にしか見えていなかったから。そして調べていくうち沖縄の土壌はあまり良好な土ではないことを知った。だから他県に比べて作物があまり作られないんだと思った。まだまだ沖縄について知らないことがたくさんある。これを機に自分でも調べてみようと思う。(K.A.)


まず、経塚では、300万年~520万年前に土砂がたまった地形を見学した。この土砂は、主に細粒砂岩クチャでできている。このクチャは海から漂ってきたそうだ。それに、40万年~20万年前までは経塚に琉球石灰岩があったとされているが、この琉球石灰岩は主に、弱酸性の雨で何十万年もかけて溶かされてなくなっていったと言われている。僕自身、沖縄本島はサンゴでできていると思っていたが、下地幸夫先生の話を聞いてそうではないと言う事を思い知らされて、なにげなく歩いている道も注意して見渡せばこれまでの歴史が分かってくるものだなと考えさせられた。(I.Y.)


今回この地域セミナーの講義で沖縄に関係する自然を実際に目で見て感じることができてとても良い機会だったと感じた。自然に興味は少ししかなかったが、下地先生がみんなのために一生懸命授業してくださって、自然はこんなにも素晴らしいものだと感じた。写真とかでしか見たことなかったけど実際に現場まで行って自然をみて、とても感動した。自然は本当に長い年月をかけてできて、今こうして自分たちが授業をしていて本当に素晴らしいと思った。これもこの自然を守り続けてきた人たちがいるからこそ今自分たちは授業ができていて、本当にありがたいことだと思った。(T.T.)


私が、2週にわたりこの講義を受け思ったことは、自分の生まれ育った故郷の歴史や自然環境の事をまだまだ知らないということだ。浦添城や首里城の話は聞いたことがあるが、誰がいつ頃造り、どのようにして消えて行ったのかなど、レポートを作り自分で調べることにより、初めて知ることがとても多かったのである。また、2週にわたり講義をしてくださった下地先生の話では、沖縄自然ツーリストの利用者は、沖縄の人ではなく内地の人が多いということだ。最初は、そんなの当たり前だと思っていたが、自分を含め沖縄の人は、あまり自分の周りの自然環境に興味が無いことがわかったのである。これからは、沖縄の歴史にも興味を持ち、何が自然で何が不自然なのか下地先生のように見極められるようになっていきたいと思ったのである。(K.G.)


今回沖縄の地質、土壌、植生、生物を調べて、どれも沖縄島に必要と思う。地質や土壌は、沖縄の特産物であるパイナップルの栽培や野菜の栽培に必要である。沖縄は自然が豊かなので、ハイビスカスやデイゴなどといった植生は沖縄の象徴ともいえると思う。生物はヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどといった天然記念物がたくさんいる。現在の沖縄は泡瀬干潟の埋め立て問題やヤンバルクイナの減少といったさまざまな問題がある。海でもオニヒトデがサンゴを食べて昔より汚くなっている。こういったことを無くしていくには一人一人の心がけ・行動が必要になってくる。まずは自分の心がけ・行動を変えていきたいなと思った。(M.H.)


今回の講義を通して自分的に沖縄のことについて学ぶ意欲が出てきたと思う。沖縄に住んでいて沖縄のことを理解していないと恥ずかしい面もあるんじゃないかと調べていて思った。沖縄の自然と歴史と文化のすごさとすばらしさをこの講義と学習であらためて感じることができた。沖縄の歴史のつまった城跡を見に行ったり、おじいちゃんやおばあちゃんから昔について聞いてみて、今と比較してみたり、博物館へ行ったりしてもっと沖縄について学んでいきたいと思った。実際に今回の野外学習のように外に出て自分の目や体で感じるのとパソコンや資料を見て学ぶのとでは全く違うと感じた。苦労したぶん達成感もあると思うし、情報は信用しがたいことが分かった。浦添大公園は公園だけど見方を変えると自然と生物の豊富な場所だと思った。そして城跡でもあったし歴史と文化を感じ取れた。下地先生は自分たちにやさしくわかりやすく教えてくれたし、何より沖縄の自然をもっと知ってほしいとという情熱も感じ取れた気がしたので、今回の野外学習は自分にとって意味のある講義になった。これからは身の回りの見方が変わって、下地先生のようにこの木は~という木だ!みたいに調べたことを使っていけたらと思う。講義でももっと自然について学んでいきたいと思うし、そして講義を受けていくにあたって自分なりのテーマを持って取り組んでいけたらと思う。(M.K.)


今回沖縄の自然、環境、歴史について調べてみて新しく知れたことがたくさんできた。自分の意見としては、沖縄の自然はとても美しい!!でも年月が過ぎるごとに美しさはだんだんなくなってきている。自分の家の近くの森も家がたくさん建ってきて森がほぼ無いに近い、海も魚が釣れなくなってきてる。歴史的な建物も同様に人間の手により壊れたり、戦争で破壊されている。下地先生も昔と今では全然変わってきていると言っていた。浦添大公園も昔はもっといろんな木や植物が生い茂っていたらしい。普通に昔の人の人骨が転がっていることもあったらしい。自分が大人になると木には自然、環境、歴史はどうなっているか?今回の課外学習で今の沖縄の現状、世界の状況がみれた。自分の子どものためにいまある自然を守らないといけないと思う。昔みたいに戻すのは難しいと思うけれど今の状況をキープすることは人の考え方行動次第でできると思う。多くの人に気付いてもらいたいのである。浦添大公園もちゃんと城として復元してほしい。あんないい景色はあまり見られません。沖縄の観光地になるように地域、県で復興作業を頑張ってほしい。最後に下地先生の授業で環境についてちょっと意欲を持つようになった。沖縄の環境や自然、歴史を伝えていく人がいて、それを聞いて学んだり、それを行動に移して実行する人が増えていけば、もっと沖縄は良くなると思う。その先頭に立っている下地先生を自分はサポートしていければいいと思う。この学習を機に沖縄に対する思いが増えたので良かった。(G.Y.)


今回、地域セミナーで沖縄島の成り立ち、地質、土壌、植生、生物について学び、実際に浦添大公園を巡検して、私が今まで沖縄の自然だと考えていたのは、青い空や青い海、ハイビスカスやガジュマル、ヤシの木などだった。しかし、海は人工的に作られたビーチがほとんどであり、沖縄以外から持ってこられた植物、人為的に植えられた植物も多かった。地域セミナーを通して、沖縄島が世界でも珍しい地形、地質であることや沖縄島にしか生息していない生物の多さ、独特の地形などが戦争に使われたことも知り、私が知らなかった沖縄をみることができた。普段、道を歩いていて、今まで全く気にならなかった植物や地形も気にかけるようになり、自然についての考え方も変わった。また、私たちが住む沖縄にはこんなに自然があると誇りに思った。現在は、海が埋め立てられたり、住宅が建設されたり、道路も整備されて、自然と呼ばれるものはほとんど見られないように感じる。その自然をずっと残していかなければならないと強く感じた。(M.N.)